去年だったか、今年だったか、インディペンデントなデザイナーの方が、受注発表試着会というのを開催していて、「良いな!」と即感じた。
その方は日本のデザイナーさんで、万人受けを狙ってもおらず、また、全ての人が着こなせるようなデザインや素材感でも無かったけれど、コメント欄を見ると、「3枚目の写真のワンピース注文したい!サイズ感は去年のワンピースと同じでしょうか?」とか、既にそのデザイナーさんの物づくりの魅力を知っている人たちであふれていた。 こんな話をイタリアに暮らす友人に話たら、「私が好きなバッグブランドもそうやで〜」とのこと。 イタリア発のそのブランドも、カタログがあって、小売店はそれを見て受注する。 ブランド側は受注を受けてから生産するので、ブランド側に在庫は無い。 友人曰く、「初めて見た時、『ちょっと考えよう』って思って、すぐに買わなかった。そしたら次回行くと無くなってて、お店の人に聞いたら『もう同じ型のバッグは入荷されません。』以来、『良い!』と思ったら即決で買うようにしてるよ…って言っても、そんな何個も持ってないけどね。単価が高いから。」ってなことを言ってた。 これこれ。 これからどんどんそうなっていく。 だって「仕入れ」って無駄が多いもの。 例えば、財布。 そろそろクリスマスだから、SNS見てると「手頃な」革小物の宣伝をよく見かけるようになった。 でもね? 地球で、これだけの「革小物」を毎年必要としてる?! 因みに、私は3年前ぐらいに、日本の浅草で文庫革という工芸品のお財布を買ったんだけど、未だに、手に持つ度に、使う度に、めちゃくちゃ幸せな気持ちになるの。 手仕事だから、一つ一つ同じデザインでも風合いや仕上がりに差があって、お店の人が4つあった在庫を全てカウンターに並べ、私と一緒に選んでくれた。 職人さんの癖からできる風合いとデザイン…、地球に一つしかないのが私の選んだ財布なのだ。 定期的に革クリーナーできれいにしてて、文字通り、一生使いそうな勢い。 もう一つ、冬といえばブーツだけど…。 雑誌が売れてた頃って、毎年、毎シーズン、「今年のブーツはこれで決まり!」的なキャンペーンしてたけど、よく消費者である我々も、それに付き合ってたなって思う。 もう、そういう時代は終わっていく。 主流と呼ばれるトレンド、軸、流れは廃る。 今から、私たちがそれぞれ原型として、流れを生み出していくから。 そんなにたくさん要らない。 何でも、たくさん、たくさん、たくさん…って。 そんな時代は終わり。 これからは、大切に使う。 安物を買い換える時代は終わり。 本物をずっと使う。 全てそうなってくる。
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Ray of Sunshine
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