まだマスクをしている人がとてつもなく多い日本。 特に若い子たちの間では「自分の顔に自信がない」みたいな理由で外せなくなってると聞き、おばさんは心を痛めている。 人の顔は面白い。同じ顔なんて一つもない。そして顔なんてどんどん変わってく。 わたし自身、毎朝、違う顔だと思う。 というわけで、ここのところポートレートを描いてるんだけど、何だか、昔の宮廷画家の気持ちが少しわかる。 画家というのは昔、ジャーナリズムのような側面を持ってた。 ロンドンのナショナルギャラリーや、パリのルーブルに行けばわかるように、戴冠式や〇〇の戦いとかいったタイトルの作品も多いでしょ? 歴史上の人物のポートレートも同じで、ロンドンには肖像画ばかりを集めたナショナルポートレートギャラリーがある。 ナポレオンなんて、「かっこよく」描いてくれる画家を贔屓にしていたという話を聞いたことがあるけど、それはきっとヘンリー8世だって同じだろうと思う。 そう、皆、自分の中のセルフイメージと、目の前に見える自画像を比べる。 それが写真だろうと、写り込みだろうと、絵画だろうと、動画だろうと。 だからナポレオンとか、ヘンリー8世は、セルフイメージが高かったのかも知れんと思うこの頃。 どちらも、容姿という面からのみ語れば、「モデル並」とは言い難く、それは、わたしたち一般人と同じでしょ? これは母の、約3年前に写した写真から描いたもの。
わたしは描くたびに「益々そっくりに描けるようになった!」と満足度が上がりっぱなしなので、超満足げにSNSで送ったのだった。 でも母からは感動したようなコメントは返ってこず、「ああ、あの頃はまだロングヘアーだったわぁ」なんていう、「え?そこ?!」みたいなコメントが返ってきた。 ひょっとして彼女だけが認識するコンプレックスが描写されてたんだろうかと思う。 わたしの能力というか、特技というか、デフォルト設定として、そういう部分(情報)を、日頃から普通に受け取ってるから、そのまま描く=それ「も」出る。 「も」(also)としたのは、本人が知らない部分も出てるから。 それは意外だったり、ちょっと嬉し恥ずかしな感じ。 昨晩も、「有名人に似てるって言われたことある?」みたいな話をしていた時に、わたしってば意外と無いと答えたのね。 わたしって、すごく不思議な風貌だと思ってて、一般的に容姿を表す形容詞で形容し難い…!ぐらいに感じてる。 でも、そこは好みで、そんなわたしを「かわいい」とか、「かっこいい」とか、「美人さん」とか、「女性らしくない」とか、そりゃぁ、みなさん、いろいろ言ってくれちゃう。 だけど、わたしの風貌を誰がどう感じるかなんてことまで、わたしに検閲する権利があるだろうか?って思う。 わたしだって、大概好き勝手なモノローグを脳内で広げててる。 わたしだってかつて「女性らしくない風貌」と言われたから、自分なりに思うところあっていろいろやってたら今の自分があり、 「かえこちゃんは『かわいい』を目指したらあかんねん!『かっこいい』をめざすと『かわいい』になるねん」と言われた時にも、やはり思うところあって今の自分がある。 わたしに「女性らしくない」て言ったクソ男に感謝なんてしてないし、未来永劫会うこともないだろうけど、そう言われて何か感じて生きてきた自分がいたからこそ、今の自分もある。 容姿なんてコロコロ変わるもの。 メイクやダイエット、ファッションっていうスーパーフィシャルなものじゃなくて、 生き方、年齢、いっしょにいる人、環境の変化で、いくらでも変わっていく。 変えようとしなくても。 でもそれは晒してこそ。 いろいろ言われてなんぼ。 今、自分の顔を晒せずマスクを外せない人、晒してこそ、だよ。
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Ray of Sunshine
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